今回は、「読点を打ちすぎると、かえってそれは誤解の元になる」という話をしていきたいと思います。
文章を書く際は、適切な箇所に「読点」を打たなければなりません。
そうしないと、書き手が本来、意図していたことが正確に伝わらないことがあるからです。
ただ、その「読点」も、打ちすぎると誤解の元になってしまうことがあります。
今回も『ハイパワー・マーケティング』のなかから、例を挙げてみたいと思います。
それでは、さっそく見ていきましょう。
親切で打ったはずの「読点」であっても・・・
今回取り上げる『ハイパワー・マーケティング』(角川書店)は、マーケティングの世界的権威であるジェイ・エイブラハムが著した本を翻訳したものです。
その中の第9章に「ダイレクトメールは1万人の営業部隊」というものがあります。
その冒頭部分に、以下のような文章があります。(以下、引用です)
なお、読みやすくするために、1行ずつ改行し、空白行を入れました。
一見、適切に読点が打たれた、読みやすい文章のように思われるかもしれません。
しかし、不要な読点が打たれているため、かえって「誤解の元」になってしまっているのです。
問題は、「当てはまる」のあとに打たれている読点です。
ここに読点を打ってしまうと、「ぴったり当てはまる」というのは、「営業部隊」にかかってしまいます。
ふつう読点というものは、それを打つことによって、「その直後にはつながりませんよ」ということを読み手に伝えるわけです。
しかし、このくだりでは、「ぴったり当てはまる」のは「見込み客」のはずです。
もしも「訪ねることができます。」で、この文章が終わっていれば、「当てはまる」のあとの読点は必要になります。
でも、この場合は、そのあとにもさらに続くわけです。
以下は改善文になります。
ただ、このように読点を打たないと、それはそれで読みづらい感じがしてきます。
これに対する解決策は2つあります。
それをつぎに述べてみたいと思います。
適切な位置に読点を打つ
2つある解決策のうち、1つ目は以下になります。
このようにすれば、読みやすくなったうえに、先ほどのような誤解もないのではないでしょうか?
そして、もうひとつの解決策はカギカッコで囲う、というものです。
いかがでしょうか?
カギカッコで囲っても、こちらの意図が、誤解されることなく読み手に伝わるのではないかと思います。
・・・
以上、この記事では、「読点というものは、打ちすぎてしまうと、かえって誤解の元になる」という話をしてきました。
参考になれば幸いです。