広告などの文章は、あたかも「一人」に語りかけるように書くべきです。
なぜなら、大勢に語りかけるような文章よりも、一人に語りかけるような文章のほうが、相手の心に響くからですね。
広告を書く際は、一人にあてた「手紙」のような感じで文章を書く必要があるわけです。
そういった広告の文章に接した読み手は、その広告や書き手に対して「好感」をいだきます。そして、その気持ちは、広告内で紹介されている商品やサービスに対する「信頼」へとつながっていくのです。
この「一人に語りかけるように書く」ということは、ブログ記事にもあてはまります。
この記事では、「一人に語りかけて書く」ということの重要性と、「陥りやすい間違い」について解説していきたいと思います。
広告は「セールスマン」と同じ
広告は、いってみれば、一対一で会話をする「セールスマン」のようなものです。
もちろん書き手は、広告を読んでいる相手の顔を見ることはできませんし、その場で相手と会話したり、相手の反応を確認したりすることもできません。
ただ、「一人に対してメッセージを伝える」という点だけに関していえば、広告は、セールスマンのトークと変わらないのです。
広告を読んでいる側は、その広告が「一人に対して語りかけている口調」になっていれば、「その広告は自分に対して語りかけてきている」と捉える傾向にあります。
この場合、頭では「この広告は大勢の人に対して書かれている」とわかっていても、「一人に対して語りかけている」と錯覚してしまうのです。
ですから、「一人に語りかけるように書く」ことによって、あたかも面とむかってセールスをしているのと、同様の効果が期待できるわけですね。
「あなた」という言葉を使う
「一人に語りかけるように書く」には、「あなた」という表現を使うとうまくいきます。
これに関しては、もうすでにご存じのことかもしれませんね。
ただ、もちろん、あまりにひんぱんに「あなた」と呼び掛けると、違和感のもとになりますので、適度に使うことが大切です。
また、「みなさん」という言葉を使わないことも大事なポイントです。
せっかく「あなた」という表現をたくさん使っているのに、「みなさん」という言葉が出てきた時点で、読み手は一気に「現実の世界」に引き戻されてしまうからです。
ですから、「あなた」という言葉を心掛けながらも、「みなさん」という言葉は使わないことが大事になるわけですね。
ただ、いくら「あなた」という表現を使ったとしても、読み手に対して「好感」どころか「不快感」を与えてしまうケースがあるので、注意が必要です。
「あなた」という言葉は、諸刃の剣
ここまでで、「あなた」という言葉は、読み手に「好感」を与えるという話をしてきました。
しかし、「あなた」という言葉を使う際には、ひとつだけ注意点があります。
文章のなかで「あなた」という言葉を使う場面を間違えると、読み手の気持ちを損ねることになってしまうのです。
これに関しては、以下の2点がポイントになります。
- 読み手のメリットになるときに「あなた」という言葉を使う
- 読み手にとってマイナスの場面では「あなた」という言葉は使わない
たとえば、
「文章スキルを身につければ、あなたは、ネットビジネスで飛躍していくことができます」
このような「読み手のメリットになる」状況であれば、「あなた」という言葉はどんどん入れていったほうがいいわけです。
しかしいっぽうで、
「文章が苦手なあなたが文章スキルを身につければ、ネットビジネスで飛躍していくことができます」
と書いた場合はどうでしょうか?
はじめの文章と、全体の趣旨は似ていますが、「文章が苦手なあなた」と書いたことにより、読み手の反感を買う可能性が高くなります。
まず、書き手からは「読み手の顔」は見えませんし、「読み手の状況」もわかりません。
それなのに、読み手のことを「文章スキルが苦手である」と決めつけているのは、おかしいわけです。
人は、見ず知らずの人に自分のことを「決めつけられる」ことを嫌います。
ですから、上記の例であれば、たとえ文章内に「あなた」というフレーズを入れたとしても、かえって読み手からの信頼を損ねることになってしまうのです。
そのうえで、たとえ「読み手にとってマイナスの場面」であっても、「あなた」という言葉を使うことができるコツがあります。
それは、「これは、あくまでも仮定ですよ」といったニュアンスを読み手に伝えることです。
たとえば、
「もしもあなたが、文章を書くことが苦手であったとしても、適切な段階をふんで文章スキルを身につければ、ネットビジネスで飛躍していくことができます」
このように書けば、「推測が前提の話」ということが相手に伝わるため、たとえ「読み手にとってマイナスの場面」であったとしても、相手の気持ちを損ねることなく「あなた」というフレーズを使うことができるのです。
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以上、商品やサービスを売るための広告においては、一人にむけて語りかけるように文章を書くべきである、という話をしてきました。
そのほうが、読み手の心に響くからですね。そしてその読み手は、こちらに「好感」をもってくれます。
もちろん、その気持ちは、広告内で紹介されている商品やサービスに対する「信頼」へとつながりますし、最終的にその商品の成約率を高めることになるわけです。
ぜひ、コピーライティングを駆使して文章を書く際は、誰か一人にむけてメッセージを発信しているという意識をもつようにしてください。