この記事では、「AIDA(アイダ)の法則」からセールスレターを読み解いてみたいと思います。

マーケティングの世界には、「AIDAの法則」というものがあります。

これは、人というのは4つの段階をへて、徐々に「購入」にいたるという考え方です。

この「AIDA(アイダ)の法則」は、消費者行動を説明したものですが、セールスレターなどの広告にも、そのまま当てはまります。

ふつうセールスレターは、「興味→信頼→行動」という流れだけに着目して書くものです。

しかしセールスレターを、この「AIDA(アイダ)」という別の観点から捉えなおしてみることで、セールスレターに対する理解を深めることができるのです。

この記事では、「AIDA(アイダ)の法則」の概要と、セールスレターのなかではどのパーツに該当するのかということについて、くわしく解説していきたいと思います。

「AIDA(アイダ)の法則」とは?

「AIDA(アイダ)の法則」とは、人の消費行動というものは4つの段階を順番にたどる、という法則をいいます。

具体的には、人は、以下の4つの段階をたどって購入へと至ります。

  1. Attention(注意)
  2. Interest(興味)
  3. Desire(欲求)
  4. Action(行動)

それぞれの頭文字をとって「AIDA(アイダ)」となるわけです。

つまり販売者が、人に何らかの商品を購入してもらうためには、まずはその商品に、消費者の「注意」を引きつけなければならないわけですね。

しかし、消費者の「注意」を引きつけただけでは進展しませんので、つぎは「興味」を引くわけです。

そしてその後、消費者に対して、より具体的な情報を与えていき、「その商品を欲しく」させます。これが「欲求」の段階です。

消費者に「商品が欲しい」と思ってもらえれば、あとは楽なものです。「購入という行動」を促せばよいのです。

「AIDA(アイダ)の法則」における、以上の4つの段階は、消費者の購買行動を説明するための考え方になりますが、1枚のセールスレターにおいても同じことがいえるわけです。

ということで、ここからは、「AIDA(アイダ)」の各要素は、セールスレターのなかではどのパーツに該当するのかということについて見ていきます。

ヘッドラインで「注意」と「興味」を引く

商品やサービスを売るためのセールスレターでは、その冒頭に、大きな文字で書かれた「ヘッドライン」を掲げることがセオリーです。

この「大きな文字」によって、まずは訪問者の「注意」を引きつけるわけです。

ただ、訪問者の「注意」を引いたというだけでは、まだ無意識のレベルであり、たんなる条件反射の段階です。

ですから、そのあと「意識的に」ヘッドラインの内容に目を通してもらう必要があるわけですね。

そのためには、ヘッドラインに「訪問者のメリットになるようなこと」を書かなければなりません。

そうすることによって、はじめて訪問者の「興味」を引くことができるわけです。

このようにセールスレターの冒頭に掲げられている「ヘッドライン」は、「AIDAの法則」における「A(注意)」と「I(興味)」の2つの役割をになっているのです。

ただ、ヘッドラインで引いた「興味」というのは、まだ浅い段階の興味です。

そのため、ヘッドライン以降の文章でも、しばらくは読み手の「興味」を引くための文章を補うことがふつうです。

つまり、「はじめまして」といった挨拶の文章が始まるまでのあいだを埋める部分ですね。こういった部分も、「AIDA」でいうところの「I(興味)」に該当するわけです。

「AIDA」における「欲求」と「行動」

セールスレターのなかで、確固とした「興味」を引くことができたら、つぎは「AIDA」における「D(欲求)」の段階に入っていきます。

この部分は、セールスレターでいえば、「信頼構築の段階」にあたります。

具体的には、ヘッドラインで謳ったことの根拠を述べたり、証拠を示したり、ときにはストーリーを語ったりする部分であり、そのほか具体的な商品説明の部分も、「AIDA」における「D(欲求)」なのです。

セールスレターにおいては、序盤からいきなり商品の詳細説明に入ったとしても、人は真剣に読んでくれません。それでは「押し売り」と同じことになるからです。

ですから、読み手に「商品が欲しい」という欲求をもってもらうには、まずは読み手との信頼関係の土台を築き、そのあとに、具体的な商品説明を行なっていく。

この順番をへてこそ、読み手は商品に対して「欲求」をいだいてくれるわけです。

これは「セールスマン」をイメージしていただければわかるかと思います。

セールスマンは、最初から商品の詳細説明はしません。まずは相手と、たわいもない話をしながら、相手の趣味・嗜好を探っていきます。

また、自分との「共通点」を見つけ出し、相手から「好感」を得ようと努力します。

そうした「会話」をへて、相手に信頼してもらったうえで、商品の具体的な説明に入っていくわけです。

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さて、読み手からの「信頼」を土台として、商品説明をした結果、読み手は商品が欲しくなりました。

ここまでくれば、あとは「行動」を促すだけです。つまり、「AIDA」における「A(行動)」の段階ですね。

セールスレターでいえば、その終盤で、「価格」「保証」「特典」「限定性」といったものを提示するわけです。

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以上、この記事では、「AIDA(アイダ)の法則」について解説してきました。

それは、以下の4つの頭文字を並べたもの、ということでしたね。

  1. Attention(注意)
  2. Interest(興味)
  3. Desire(欲求)
  4. Action(行動)

そのうえで、この記事では、「AIDAの法則」の観点からセールスレターを読み解いてきました。

「AIDAの法則」は、1枚のセールスレターを書く際にも、そのまま活用することができるわけですね。

ぜひ、時間のあるときにでも、セールスレターというものを、「AIDAの法則」の観点から捉えなおしてみてください。