今回は、文章を書く際は「冗長な表現」をできるだけ省き、そのかわり「必要な表現」を補うべきである、という話をしたいと思います。

とくにWEBの場合、基本的に、書ける文字数に制限はありません。

それがブログやサイトといった媒体なら、なおさらでしょう。

しかし、冗長な表現は、読み手の理解を妨げるとともに、読み手にストレスを与えてしまいます。

ストレスを感じた読み手は、それ以上、その文章を読まないで去ってしまう可能性が高くなります。

今回も、『ハイパワー・マーケティング』(角川書店)を題材に、添削してみたいと思います。

冗長で、情報の欠けた文章

今回取り上げる箇所は、『ハイパワー・マーケティング』のうちの「第16章 マインドセット」のなかにあります。

この本は、マーケティングの世界的権威であるジェイ・エイブラハムの著作を、日本語に翻訳したものです。

マーケティングに関する役立つ情報が凝縮されたような、素晴らしい内容なのですが、日本語的に問題のある箇所が多いのです。

今回とりあげるくだりは、292ページにあります。

以下、引用文です。

読みやすくするために、改行し、空白行を入れました。

なんとも不自然な文章になってしまっています。

この文章は、「冗長な表現」と「情報の欠け」が混在してしまっているからです。

まず、この文章には「主語」が見当たりません。主体者が見えないために、読み手は脳内で明瞭にイメージできないのです。

また、「どこでしていようと」というくだりを見た読み手には、「何をするの?」という疑問が浮かぶことになります。

言いたいことをコンパクトにまとめる

それでは、上記の引用文における「冗長な表現」を解消し、「情報の欠け」を補ってみたいと思います。

まずは、もう一度、改善前の文章を掲載します。

そして以下が、改善後の文章になります。
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あなたが、どこで何をしていようと、自分の成果を最大化するためのより良い方法を絶えず見つけられますし、見つけていかなければなりません。
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なお、「どのようにしていようと」という部分は、「どこで何をしていようと」という表現のなかに含まれているため、省きました。

ずいぶんとスッキリした、読みやすい文章になったのではないかと思います。

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以上、文章を書く際は「冗長な表現」をできるだけ省き、そのかわり「必要な表現」を補うべきである、という話をさせていただきました。

参考になれば幸いです。