今回は、「憶測だけで文章を書いてはいけない」という話をしたいと思います。
憶測だけで文章を書いてしまうと、なかには、「なんでそんなことが言えるの?」と思う人も出てくるからです。
読み手にストレスを与えないためにも、しっかりとした事実にもとづいた文章を書かなければなりません。
今回も、『ハイパワー・マーケティング』のなかに出てくる「不適切な表現」を取り上げて、それを添削していきたいと思います。
それでは、さっそく見ていきましょう。
憶測だけで語らない
今回、引用する『ハイパワー・マーケティング』(角川書店)は、マーケティングの世界的権威であるジェイ・エイブラハムの本を日本語に翻訳したものです。
問題の箇所は、「第9章:ダイレクトメールは1万人の営業部隊」のなかにあります。(P153)
以下、引用文です。
このくだりは、「憶測のオンパレード」になっています。
まず、「家に帰ったら」という部分。
この表現は、本を読んでいる人が今、外出していることを前提にしています。
しかし、家でこの本を読んでいる人も、たくさんいるはずです。
そういった人が、この部分を目にすると、「自宅にいるのに、なんで、こんなことを言うんだろう?」となってしまいます。
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そのほか、「でもごみ箱に放り込む前に・・・」のくだりも問題です。
なかには、そんなことはせずに、積んでおく人もいるかもしれません。
熱心にすべてのダイレクトメールに目をとおす人もいるかもしれません。
そういった人の存在を無視して、「ごみ箱に放り込む前に・・・」と書いてしまっているわけです。
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さらに、「・・・であれば、送り続けられるはずがありません」というくだり。
ここでは、「ダイレクトメールというものは、そのすべてが、だいぶまえから送り続けられているもの」と憶測してしまっているのです。
でも、なかには、今回はじめて、こういったダイレクトメールに挑戦してみたという人もいるでしょう。
それなのに、あたかもすべての人が「何度も送り続けている」かのような表現になってしまっているのです。
もしかしたら、ダイレクトメールを送っている人たちは、その大半が、ダイレクトメールの効果をまだ実感できる段階まできていないのかもしれません。
しばらくしたら、「ダイレクトメールは効果がない」といって、もう出さなくなるかもしれません。
そういった可能性もすべて考慮したうえで、文章を書かなければなりません。
ですから、
こういった結論にはつながっていかないのです。
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以上、文章を書く際は、憶測だけでものを語ってはいけない、という話をさせていただきました。
参考になれば幸いです。