わかりやすい文章を書くことは、とても重要です。
なぜなら「わかりやすい文章」を書いてこそ、読み手に、その文章の内容を理解してもらえるからです。
その反対に、「わかりづらい文章」であっては、文章の内容を理解してもらえませんし、当然、相手に行動を促すこともできません。
「わかりやすい文章」が書ければ、あなたは、読み手に対して「こちらの意思」を確実に伝えることができますし、納得してもらったうえで「こちらの望む行動」をとってもらうことも可能になるのです。
この記事では、「わかりやすい文章」を書くための5つのポイントについて、くわしく解説していきたいと思います。
「わかりやすい文章」を書くためのポイント
「わかりやすい文章」を書くには、以下の5つがポイントになります。
- 主語をしっかりと明示する
- 平易な表現を使う
- 指示語は「直前のもの」を指すようにする
- 文章の風通りをよくする
- 文章全体に「論理的な整合性」をもたせる
あなたが「わかりやすい文章」を書くためには、この5つのポイントさえ守れば、それで十分です。
最初のうちは、ひとつひとつ確認しながら文章を書く必要があるかもしれません。
ですから、上の5つのポイントは、紙に書いて目に見えるところに貼っておくことをお勧めします。
それでは、この5つのポイントについて、ひとつひとつ見ていきたいと思います。
①主語をしっかりと明示する
まず、「わかりにくい文章」の筆頭は、「主語」が抜けていることです。
主語が抜けているだけで、その文章は、まったくイメージできないものになります。
「・・・が」「・・・は」という要素が抜けてしまうだけで、その文章を読んでいる人は、脳内で”視覚的なイメージ”ができなくなってしまうのです。それは、「目的語」に関しても同様です。
主語がわからないと読み手は、「誰が?」「何が?」という疑問をかかえながら、ぼんやりしたイメージのまま、文章を読み進めていかなければならなくなります。
ですから、「わかりやすい文章の書き方」で、もっとも大事なことは、「主語」などの”文章の構成要素”をしっかりと文中に入れる、ということなのです。
私の文章にも、そのほとんどに、この「主語」が入っているかと思いますので、読み返す際は注意深く読んでみてくださいね。
文章に「主語」が入っているだけで、その文章は、うんとわかりやすくなることが理解できるはずです。
②平易な表現を使う
この「平易な表現を使う」というのも、「わかりやすい文章の書き方」としては大事な点です。
なにより、これは、今すぐにでも実行できることではないかと思います。
ただ、「平易な表現」と言っただけでは、まだ「わかりにくい」かと思いますので、より具体的に表現すると、それは以下のようになります。
- 「多くの人が意味のわからない言葉」は使わない
- 「多くの人が読めない漢字」は使わない
- ひらがなの割合を多くする
この3つを心掛けることで、あなたの文章は、うんと「わかりやすいもの」になるはずです。
ひとつめの「意味のわからない言葉」というのは、あなたの主観でOKです。つまり、あなたが「多くの人は、たぶん意味がわからないだろうな」と感じた表現をさしています。
もちろん、言葉にくわしい人であれば、「むずかしい言葉」であっても意味がわかるかもしれませんが、多くの人に読んでもらいたいのであれば、「多くの人がわかるような表現」を使わなければなりません。
また、「読めない漢字」を使わないこと。これも大事です。目安としては、中学1年生でも読めるような漢字を書くように心がけると、非常にわかりやすい文章になります。
「ひらがな」の割合を多くする、ということも重要です。漢字ばかりを詰め込むと、「難解な文章」といったイメージになり、読み手にストレスを与えてしまうからです。
この「ひらがなの割合」に関しては、いま読んでいる私の文章を、ひとつの参考にしてみてくださいね。
③指示語は「直前のもの」を指すようにする
「指示語」に対する配慮も、「わかりやすい文章」を書く際には欠かせません。
「指示語」というのは、ふだんあまり意識しないかもしれませんね。
この「指示語」には2種類があります。
- 指示連体詞
- 指示代名詞
指示連体詞というのは「この」「その」「あの」といった形の指示語です。
いっぽう指示代名詞というのは、「これ」「それ」「あれ」といった形をいいます。
このうち、とくに注意が必要なのが、「この」「その」「これ」「それ」です。
この4つの指示語は本来、「直前のもの」を指すことが正しい使い方になります。
しかし、だいぶまえに書いたことに対して、「この」「その」「これ」「それ」を使ってしまうと、読んでいる人は、それが何を指しているのかがわからなくなってしまいます。
ぜひ、「わかりやすい文章」を書くために、「指示語は『直前のもの』を指すようにする」ということを心掛けていってください。
④文章の風通りをよくする
「文章の風通りがよい」ということも大事なポイントです。
たとえ内容的には「わかりやすい文章」であっても、文章の風通りがわるいと、読み手にとっては「わかりにくい文章」になってしまいます。
ただ、「文章の風通りをよくする」という表現だけでは、ちょっと「わかりづらい」かもしれませんね。
具体的にいえば、この表現は、以下の2つをさしています。
- 文章どうしのあいだに「空白」を入れる
- 一文の中の適切な位置に「読点」を入れる
この2つを心掛けるだけで、あなたの文章には「圧迫感」がなくなり、その結果、「非常に読みやすい文章」になります。
まず1つ目の「文章どうしのあいだの空白」については、今あなたが読まれているこの文章も、これを意識して書かれています。
文章どうしに、ある程度の間隔があったほうが、まったく改行しない「ビッシリと書かれた文章」よりは、読みやすく感じるのではないでしょうか?
また、私の文章を見ていただければ一目瞭然かと思いますが、私の文章は、適切な箇所に「読点」が打たれているため、かなり読みやすいのではないかと思います。
文章の「表現」とともに、こういった「全体の見た目」も、文章のわかりやすさに影響するのです。
⑤文章全体に「論理的な整合性」をもたせる
最後のポイントは、「論理的な整合性をもたせる」ということです。
「わかりやすい文章の書き方」を考える際、忘れてはならないのは、やはり、そこに書かれている「内容」です。
ここまでは、どちらかというと「表面的な注意点」をお伝えしてきたわけですが、その「内容」も重要なわけですね。
いくら主語を明示し、平易な表現を使い、指示語を正しく使い、文章の風通りをよくしても、そこに書かれている内容が「支離滅裂」としていては、それは「わかりやすい文章」とはいえません。
ですから、あなたが文章を書く際は、「文章全体に論理的な整合性があること」も欠かせないのです。
この「論理的な整合性」というのは、より”わかりやすく”いえば、以下のようになります。
- 前後の文章がスムーズにつながっている
- 主張したあとには「理由」が添えられている
- 全体に「ひとつの主張」が貫かれている
まずひとつめの「前後の文章のスムーズなつながり」に関しては、今あなたが読まれている記事を、あらためて読み直していただければ、理解できるかと思います。
前後の文章が、論理的につながっていることがわかるはずです。
前後の文章を、論理的につながりやすくするためには、「接続詞」を活用するとうまくいきます。
また、文章のなかで何かを主張した際には、しっかりと「理由」を述べると、それはしぜんと「論理的な文章」になります。
全体に「ひとつの主張」が貫かれていることも重要です。
この記事であれば、「わかりやすい文章を書くには、どうしたらいいか」というテーマで一貫しているはずです。
テーマを決めて書いているつもりでも、テーマとは関係のない話に、たびたび飛んでしまうと、読み手にしてみれば「わかりづらい文章」という印象になってしまうのです。
まとめ
以上、この記事では、「わかりやすい文章の書き方」について解説してきました。
「わかりやすい文章」を書いてこそ、こちらの言いたいことが相手に確実に伝わりますし、それだけではなく、相手に納得してもらったうえで、こちらの望む行動をとってもらうことも可能になります。
そして、「わかりやすい文章」を書くためには、以下の5つがポイントになる、ということでしたね。
- 主語をしっかりと明示する
- 平易な表現を使う
- 指示語は「直前のもの」を指すようにする
- 文章の風通りをよくする
- 文章全体に「論理的な整合性」をもたせる
ぜひ、ここまででお伝えしてきたポイントを意識して、これからの文章を書き綴っていってください。
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