この記事では、コピーライティングの観点から「起承転結」というものを読み解いてみたいと思います。

文章の話になると、よく「起承転結」という言葉が登場します。

起承転結というのは、「文章の書きだし」から「文章の終わり」まで、どのように展開していったらいいのかを端的に表現したものです。

文章というものは、この「起承転結」の順番を意識することで、うんと書きやすくなるわけですね。

じつは、この「起承転結」という順番は、ふつうの文章だけではなく、セールスレターを書く際にも活用していくことができます。

この記事では、じつは「コピーライティング」と「起承転結」は密接な関係にある、という話をしていきたいと思います。

コピーライティングと「3つの大原則」

商品やサービスを売るためのセールスレターを書く際は、以下の「3つの大原則」を意識する必要があります。

  • 冒頭で、まずは訪問者の「興味」を引く
  • その後の文章で、読み手の「信頼」を勝ち取る
  • 終盤段階で、読み手に「行動」を促す

この3つの流れを意識して広告を書くことで、その広告は、「読み手の心理」を最終的な購入にまで、ごくしぜんに誘導していけるわけですね。

そのうえでいえることは、コピーライティングを駆使してセールスレターを書く際には、必ずしも、この記事のテーマである「起承転結」を意識する必要はありません。

セールスレターを書く際は、上記の「興味→信頼→行動」という3つのステップを意識していれば、それで十分だからです。

ただ、コピーライティングの3つの原則を意識して書かれたセールスレターは、しぜんと「起承転結」の順番になっているわけですね。

ということで、ここからは、起承転結の各要素と、コピーライティングにおける「興味・信頼・行動」の各要素の関係について見ていきます。

その両者の関係を知ることで、セールスレターに対する理解がさらに深まるはずです。

「起」は、広告冒頭のヘッドライン

まず「起」というのは、文字どおり、文章の始まりの部分にあたります。

これはセールスレターでいえば、冒頭に掲げる「ヘッドライン」に該当します。すべては、この大きな文字で書かれたキャッチコピーからスタートするからです。

セールスレターでは、この「起」の段階、つまりヘッドラインによって、まずは訪問者の「興味」を引きつけます。

「起」の段階は非常に重要です。

なぜなら、この「起」で読み手の興味を引けなければ、その後の文章を意欲的に読んでもらえないからですね。

それは「ヘッドライン」にもいえます。ヘッドラインでは、「読み手のメリット」をまっ先に示すことによって、読み手の興味を強く引きつけなければならないのです。

「承」では、読み手と信頼を築く

「起」のつぎは「承」です。

この字は「承ける(うける)」と読むように、「受ける」といったニュアンスになります。

つまり「承」の段階では、「起」で述べたことを「承けて」話を展開するわけですね。いいかえると、「起」で述べたことと関連のあることを、より詳しく書いていくわけです。

実際セールスレターでも、ヘッドラインで謳ったことを受けて、その後の文章を展開していくことがセオリーになっています。つまり、ヘッドラインで謳ったことと全く関係のない話はしないわけですね。

セールスレターでは、読み手の「信頼」を獲得するために、この「承」の段階の文章がもっとも長くなります。

ヘッドラインで謳ったメリットが本当であることを、「論理的な文章」や「証拠」などをとおして、読み手に納得してもらう必要があるからです。

また、ときには販売者側の「興味深いストーリー」によって、読み手の信頼を獲得していく場合もあるかと思います。

セールスレターの読み手は、この「承」の段階の文章を読み終えるころには、たいてい、その販売者や商品に対して「信頼」が芽生えています。

つまり書き手は、この「承」の段階の文章によって、コピーの3つの原則のうちの「信頼」を、ある程度まで勝ち取っていかなければならないわけですね。

ただ、つぎに紹介する「転」も、コピーライティングにおける「信頼」の段階にあたります。

「転」で、商品の紹介をする

3つ目は、「起承転結」のうちの「転」です。

「転」というのは、その言葉からもわかるように、いままでの流れから「転じて」、話の内容がガラッと変わることを意味しています。

広告以外の文章においては、この「転」というのは、文章の単調さを防ぐために必要になりますが、セールスレターでも同様に、この「転」の段階で流れを変えて「商品の具体的な説明」に入っていきます。

もしもセールスレターの冒頭段階から、いきなり商品の詳細説明をしたとしても、読み手の心には響きません。それでは「押し売り」になってしまうからです。

そこでセールスレターでは、まずは「承」の段階で、十分な時間をかけて読み手と「信頼関係」を築いたうえで、この「転」にあたる「商品説明」に入っていくわけです。

このような順番をへたうえで、この「転」つまり「商品説明」に入っていくことによって、読み手からの「信頼」をさらに深めることができるのです。

「結」で購入を促す

さて、「転」にあたる「商品の詳細説明」によって、読み手はますます商品が欲しくなってきました。

そこで、セールスレターにおける最後の段階として、「結」つまり「結論」にあたる文章を書いて、読み手に行動(=購入)を促すわけです。

具体的には、セールスレターの終盤で、以下のようなことを行います。

  • 適切な値段を提示する
  • 特典をつけて、購入してもらいやすくする
  • 限定性を設けて、今買うべきことを伝える
  • 返金保証などをつけて、買いやすくしてあげる
  • 最後に、購入を促す一言を添える

上記のような要素(「結」)を、広告の最後に配置することで、「購入」という行動を読み手に促すわけですね。

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以上、この記事では、コピーライティングの3つの原則をとおして、「起承転結」の各要素について見てきました。

セールスレターを作成する際は、「興味→信頼→行動」という流れを意識して文章を書いていくだけで、しぜんとその文章は「起承転結」の流れにもなっているわけです。

ちなみに、コピーライティングの3つの原則と起承転結は、そのままブログ記事を書く際にも当てはめることができます。

この記事も、3つの原則と起承転結の流れで書かれています。最後の「まとめ」が「結」です。

ぜひ、コピーライティングを駆使して書いた文章は、「3つの大原則」だけではなく、「起承転結」という別の視点からも捉えなおしてみてください。