広告では、「読み手に質問するような文章」を書くと効果的です。

広告のなかで、読み手に対して「質問」すると、注意を一気に引きつけることができるからです。

広告の読み手は、まるで自分が質問されたような感覚になるわけですね。

広告は、なかなか人に読まれないものですが、「質問の力」をうまく活用することによって、広告を意欲的に読み進めてもらうことが可能になるのです。

この記事では、広告を書く際、いかに「質問」が重要であるかということ、そして、広告内で使うと効果的な「2つの質問」について解説していきたいと思います。

「質問」すると、人は反射的に答えようとする

人は「質問」されると、それに「答えよう」として、脳をめまぐるしく回転させます。

これは、もはや条件反射といってもよいレベルです。

つまり人は、質問されると、その「答え」を自動的に考えてしまう動物である、ということですね。

この心理原則を広告に応用しない手はありません。

広告の冒頭に掲げる「ヘッドライン」(見出し)で、この「質問の力」をつかえば、訪問者の「注意」をグッと引きつけることができます。

また、広告の途中でも、読み手の集中力が衰えてきたなというタイミングで「質問」すれば、再度、読み手の集中力を高めることができるわけです。

もちろん、広告内の文章が「質問だらけ」になってしまうと、かえって「単調」になるので効果が半減してしまいますが、適切なタイミングで質問を活用していくことで、広告には一種の「緊張感」が貫くことになるのです。

広告内で効果的な質問とは?

広告においては、具体的に、どのような質問をしたらいいのでしょうか?

広告内で有効になる質問には、以下の2つがあります。

  • 読み手の意識を内側に向けさせるための質問
  • 読み手に「同意」を求めるための質問

まず前者についてですが、たとえば以下のような「質問」がこれに当たります。

「あなたは、いままでどのようなダイエットを行なってきましたか?」
「あなたは、昨日なにを食べましたか?」

たとえば、ダイエット商品を売るための広告のなかで、上記のような質問をするわけです。

このような質問をされた読み手は、脳内に保管されている「過去の記憶」を検索するために、自分の脳内に意識が向きます。こういった「自分の内側に意識が向く状態」は、一種の催眠状態といえます。

読み手の意識を、過去の記憶に向けることによって、外界への「理性の監視」を弱めているからです。

こういった状態をつくったうえで、その直後に、なんらかのメッセージを投げかけていけば、そのメッセージは「理性の監視」をすりぬけて、読み手の心にダイレクトに届きやすくなるのです。

「修辞疑問文」を活用する

ではつぎに、先ほど挙げた2つの「質問」のうち、後者について見ていきます。

つまり、「読み手に『同意』を求めるための質問」ですね。

これは「修辞疑問文」を使うことで簡単にクリアできます。

修辞疑問文というのは、たとえば、以下のような質問をいいます。

「あなたは、食事制限をせずにダイエットしたいですか?」
「激しい運動をしなくてもダイエットできる方法があれば、それを知りたいですか?」

修辞疑問文は、上記のように、いちおう「質問」のかたちにはなっていますが、じつは、質問する側の主張に対する「同意」を相手に求めているのです。

上記の質問文を、同じ意味の「別の表現」に言いかえると、

「あなたは、食事制限をせずにダイエットしたいですよね?」
「激しい運動をしなくてもダイエットできる方法があれば、それを知りたいですよね?」

となるからです。

つまり修辞疑問文においては、相手に「質問」しているようでいて、そのじつ、ちゃっかりと「こちらの主張」が質問のなかに盛り込まれているわけですね。

このような「修辞疑問文」は、こちら側の主張を相手に伝え、なおかつ「同意」を求めることができるため、広告の冒頭に掲げる「ヘッドライン」でよく使われます。

そして広告内の文章でも、適切なタイミングでこの修辞疑問文を使っていくことで、読み手は、そのつど集中力を高めて話に耳を傾けてくれることになるのです。

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以上、広告のなかで質問をすると、集中して読み進めてもらえる、という話をしてきました。

人は、質問されると、条件反射的に「その答え」を考えてしまう動物なのです。

ですから、広告の冒頭に掲げる「ヘッドライン」、もしくは「文中」で、たまに質問すると、読み手の注意を引きつける効果が期待できるわけですね。

さらに、具体的な方法として、「読み手の意識を内側に向けさせる質問」と「修辞疑問文」についてもご紹介しました。

もちろん、ふつうに質問するだけでも、読み手の注意を引きつける効果が期待できるわけです。

ぜひ、広告の文章を書く際は、「質問の力」を上手に活用していってください。