あなたは、「周辺経路」と「中心経路」ってご存じですか?

もしかしたら、聞いたことがないかもしれませんね。

人は、なにかの商品を購入する際、「2つの思考回路」のどちらかを使って、「購入するかどうか」を判断します。

それが「周辺経路」と「中心経路」です。

この2つの概念を知っておくと、商品に適した紹介の仕方を選べるようになります。

それでは、この2つの概念について、よりくわしく見ていきたいと思います。

「周辺経路」と「中心経路」のそれぞれの意味とは?

「周辺経路」と「中心経路」に関して、まずはその言葉の意味から解説していきます。

まず「周辺経路」とは、とくに考えないで何かを購入する場合に働く思考回路です。

  • 値段が安いから
  • 日常生活に必要だから
  • 人気の商品だから
  • 信頼できるスーパーで売られているから

つまり「周辺経路」というのは、上記のように、”商品の中身とは直接的には関係のない周辺情報”だけで購入を決めるケースですね。

それに対して「中心経路」というのは、何かを購入するまえに、じっくりと時間をかけて検討するような際に働く思考回路になります。

  • 値段が高いものを買う場合
  • あまり知らない商品を買う場合

つまり「中心経路」とは、前述したような「商品の周辺情報」にまどわされずに、「商品の内容」「商品のメリットやデメリット」といった、商品の本質(中心)にせまって購入を決めるケースです。

車や家の購入は、まさにこの「中心経路」を使って決めるわけですね。

そのほか、もちろんこれは人によりけりですが、数千円もする本を購入する際は、「中心経路」を使って、その本の中身をしっかりと吟味したうえで購入するのではないでしょうか?

簡単に購入を決める「周辺経路」の例

それでは、「周辺経路」の例を挙げてみます。

「周辺経路」に関していえば、多くの人は、たとえばスーパーなどで「値段の安い塩」を買う際などに、この経路を使います。

この場合、「どの銘柄にしようか」「これは信頼できるか」といった判断はしません。

「スーパーに対する信頼」をそのまま、その「塩」に重ね合わせて、とくに思考をめぐらせることなく、パッと「塩の入った袋」を手にとって買い物カゴに入れるわけです。

よっぽど「塩」にこだわりを持っている人でもないかぎり、どの銘柄の「塩」であってもよい、と考えるからですね。

また、塩にかぎらず、「値段が安いもの」を買った場合、もしそれが「まずいもの」や「不良品」だったとしても、わずかな損害でしかありません。

ですから人は、「値段が安いもの」に対しては、「周辺経路」という思考回路を使って購入を即決する傾向にあるのです。

つまり、広告で紹介する商品やサービスが、もし「値段の安いもの」であれば、訪問者は「周辺経路」で買うかどうかを判断する傾向にあるわけですから、それほど長い広告文は必要ないのです。

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ただ、ひとつだけ例外があります。

どんなに値段の安い商品であっても、それが「人にあまり知られていない商品」の場合は、話は別です。

そういった場合は、その商品から得られる「メリット」を、それなりの長さの文章によって、訪問者にしっかりと伝える必要があるわけです。

そうしないと、その広告を目にした人たちは、どんなに安い商品であっても、その広告から購入してくれないわけですね。

人は、「メリットのわからない商品」は買わないからです。

真剣に購入を検討する「中心経路」の例

それでは、つぎに「中心経路」の例を挙げてみます。

たとえば、それなりの値段がする商品をインターネットで購入する場合などですね。

ネット通販で購入する場合は、商品をその場で手に取ることができませんから、その辺のスーパーで購入するのと比べれば、人は購入に慎重になる傾向にあります。

ですから、インターネットで販売する場合は、よほど知られた商品でもないかぎり、それなりに長い広告文が必要になるわけです。

この場合、通常であれば、縦に長い「セールスレター」が使われます。

このようなセールスレターでは、まずは、広告の冒頭にある「ヘッドライン」で訪問者の興味を引き、そのあとの「論理的な文章」で訪問者の理性を納得させる必要があります。

まさに、こういった状況でこそ、「コピーライティングのスキル」が生きるわけです。

そのほか、こういったセールスレターでは、場合によっては、証拠となるような「証明書」を掲載する必要があります。

また、ヘッドラインで謳ったことの根拠となるような「実験結果」があるのであれば、場合によっては、そういったものも広告内に掲載しなければなりません。

つまり、「中心経路」が活発になっている状態の読み手に対しては、その度合いに応じて、それなりのスペースをさいて説明する必要があるのです。

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以上、購入判断における「周辺経路」と「中心経路」について解説してきました。

人が何かの商品やサービスを購入する際には、「周辺経路」と「中心経路」のどちらかの思考回路を使う、ということでしたね。

「周辺経路」によって購入されるような商品に関しては、あえて長い広告文を書く必要はありません。
短い広告文であっても、訪問者は購入してくれるからです。

ただ、「中心経路」が使われるような状況では、長い文章によって、理性を納得させられるような「論理的な説明」をしなければならないわけですね。

ぜひ、あなたが広告を書く際には、訪問者がどちらの経路で購入を判断するのかを、しっかりと見すえたうえで文章を作成していってください。